コラム

『諸原価アップへの対策を立て実行しよう』

◆8割以上の企業で仕入価格が上昇!
「原油・素材価格の上昇に伴う企業への影響調査」(帝国データバンク・今年1月発表・約1万社)によると、次のように企業経営にとって厳しい状況を裏付けています。

仕入価格が上昇している企業は8割以上
・原油・素材価格上昇による仕入価格
「上昇している」企業・・・81.2%
「上昇していない」企業・・・10.9%

「上昇している」と回答した企業が8割を超える結果で、原材料等の価格高騰を裏付けています。その中でも、中小企業の方が大企業より仕入価格の上昇をより強く感じているようです。

◆コスト削減策の事例
こうした原材料や仕入価格の上昇に対して、企業では様々な工夫をしています。

〔共同購入で仕入価格を削減〕
全国の給食企業の約70社が集まって、食材の共同購買機構を設立。これまでの各社ごとの仕入れでは、価格交渉力が弱く、メーカーなどの言い値で取り引きせざるを得ませんでした。しかし、食材を共同購入することで、例えば、調味料なら仕入れ値が最低でも15%下がり、大幅なコストダウンが可能になりました。

〔業務用洗剤を原液販売に変えて1割安く〕
業務用洗剤メーカーのA社は、水で薄めずに原液を袋に入れて販売するようにしました。今までは水で薄めた洗剤を一斗缶に入れて販売していましたが、原液をビニール袋に入れて販売すると、重量を4分の1に軽量化でき、輸送コスト等が削減できたのです。ユーザーには水で薄める手間が増えましたが、販売価格を引き下げることが可能になりました。

<コストアップ対応策チェックリスト>
諸原価アップに対応するために以下の事項について、一度チェックして見直しておきましょう。

〔経費削減について〕
①不要な資産の売却を検討しましたか?
②交際費や広告宣伝費などの見直しをしましたか?
③予算対比・前年対比で上回っている経費の削減を行いましたか?
④削減できる経費で惰性支出しているものはないか見直しましたか?
⑤全社的に経費のムダはないか社員全員で検討しましたか?
⑥商品の発送形態を見直すなどして、輸送コスト等の削減を検討しましたか?

〔仕入価格の見直し〕
①相見積りや他の仕入先の商品あるいは市況と比較して、定期的に仕入原価のチェックを行っていますか?
②材料の使用量あるいは商品仕入単価について仕入先と交渉しましたか?
③材料価格あるいは商品仕入単価について仕入先と交渉をしましたか?
④他社との共同購入など仕入価格を下げる方法を検討していますか?
⑤仕入先等の見直しを検討しましたか?
⑥外注している場合は、外注単価の見直しを行い外注先と交渉しましたか?
⑦不良品やロスの削減を徹底させていますか?

〔販売価格・その他〕
①商品等の価格体系などの見直しを行いましたか?
②販売価格を上げられないかよく検討しましたか?
③不採算部門(事業)の見直しを行いましたか?
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