コラム

『平成20年 年末調整-早めに準備しましょう-』

年末調整は、毎月の給与などから源泉徴収した税額と本来1年間に納めるべき税額の過不足を精算する手続です。12月は事務が忙しくなる時期なので年末調整のポイントをよく確認し、ミス等のないよう注意しましょう。

◆◆年末調整のポイント◆◆

【ポイント1】年末調整の対象となる人、ならない人を選別する
年末調整の対象者は、次の要件に該当する人です。

【年末調整の対象者】
・扶養控除等(異動)申告書を提出している
・本年中に支払うことが確定した給与総額が2,000万円以下(非課税の給与は除く)
・災害等に遭った場合で給与等に対する源泉所得税の徴収猶予または還付を受けていない
・1年を通じて勤務している、または年の途中で就職し、年末まで勤務している
*途中入社の場合、前に勤務していた会社の源泉徴収票が必要。

【ポイント2】「扶養控除等(異動)申告書」などの必要書類の記載内容等を確認する
出産や子供の就職や結婚などによる社員の扶養家族の異動について、訂正漏れがないか再確認しましょう。年末調整後から12月31日までの間に、出産、結婚などで扶養家族に変更があった場合は、年末調整をやり直すことになります。あるいは、本人が確定申告によって、所得税の還付を受けることができます。

扶養控除等(異動)申告書」は、原則として、本年最初の給与を支払う日の前日までに支払者が受け付けていなければなりません。
通常、税務署から、控除申告書とともに、翌年分の「扶養控除等(異動)申告書」が会社に配布されるので、控除申告書と一緒に社員に配布し、記入して提出してもらうようにします。

【ポイント3】家族の今年1年の所得金額を確認してもらう
配偶者控除、配偶者特別控除や扶養控除の対象となるかどうかは、その年の合計所得金額をもとに判定されます。例えば、年末調整後に、奥さんの所得が控除要件の金額を超えてしまった場合、年末調整をやり直すことになります。各社員に家族の正確な所得金額(奥さんや子供の給与明細等)を確認してもらいましょう。

【ポイント4】確定申告が必要な各種の控除について社員に説明する
次のような控除は、年末調整では控除が受けられません。各人が確定申告をすることで、源泉徴収された税金が戻ってくる(還付される)場合があります。

①災害(地震、風水害、火災等)や盗難などで損害を受けた場合の雑損控除
②災害減免法による所得税の減免(雑損控除の適用を受けた場合は受けられない)
③多額の医療費を支払ったときの医療費控除
④住宅ローン控除等(住宅を新築・購入し、居住した年のみ)
⑤自宅を増改築、バリアフリー化、省エネ改修をした場合のローン控除(住宅ローン控除との選択制)
⑥一定の耐震改修費用についての減税
⑦ふるさと納税など、寄附をしたとき

年末調整は、1年の最後の給与支払日(通常は12月)に行います。余裕をもって、早めに準備するとともに、社員の方への説明を忘れないようにしましょう。
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