コラム

『緊急不況対応~資金に窮したときの公的融資制度』

一時的な業況悪化や資金繰り難のときの融資
取引先の倒産、原材料の高騰、急激な消費低迷など、中小企業を取り巻く要因によって、一時的に業況が悪化したり、資金繰りに窮した中小零細企業個人事業主のための融資制度として、日本政策金融公庫(国民生活事業)の「セーフティネット貸付」などがあります。
*日本政策金融公庫のセーフティネット貸付には、中堅企業向け(中小企業事業)もありますが、ここでは国民生活事業のものを紹介します。

=ケース1=
一時的に売上高が減少、利益が悪化している

当社は、自動車のブレーキ部品を製造しています。世界的な自動車販売の低迷によって、最近3ヶ月の売上が前年同期よりも10%以上減少し、運転資金が苦しくなってきています。

●経営環境変化対応資金の活用
このように、急激な景気低迷、原材料価格の急騰や企業の大型倒産など、社会的、経済的な要因によって、一時的に売上や利益が減少しているようなときには、経営環境変化対応資金の融資があります。
【対象】
・最近の決算期の売上高が前期と比べて5%以上減少している
・最近3ヶ月間の売上高が前年同期より減少しているうえ、今後も売上減少が見込まれる
・最近の取引条件が回収条件の長期化、支払条件の短縮化等により悪化している 等々

融資限度 4.800万円以内(別枠)
融資利率 基準利率(5年以内で2.05%、平成20年12月10日現在)
融資期間 設備資金15年以内(うち据置3年以内)
運転資金 5年以内(うち据置1年以内)
担保条件 保証人(経営責任者の方)が必要

=ケース2=
取引企業の倒産に伴い資金繰りが困難になった

取引先が倒産してしまいました。そこには未回収となっている多額の売掛金があるうえ、予定していた追加受注もなくなったことで、大きな影響がでています。

●取引企業倒産対応資金の活用
取引先の倒産によって、経営に困難をきたいしたときには、取引企業倒産対応資金の融資があります。
【対象】
・倒産企業との取引額が全取引額の2割以上を占める
・倒産企業から受注予定の商品が取り消された
・倒産企業に50万円以上の営業債権等がある 等々

融資限度 3.000万円以内(別枠)
融資利率 基準利率(5年以内で2.05%、平成20年12月10日現在)
融資期間 5年以内(うち据置1年以内)
担保条件 保証人(経営責任者の方)が必要

=ケース3=
金融機関の融資姿勢が変わり資金繰りが悪化している

経営状況が悪化していないにもかかわらず、メインバンクからの借入金利が高くなっています。何とか頑張っていますが、会社の資金繰りに支障がでてきています。

●金融環境変化対応資金の活用
取引銀行の破綻や業務停止によって、あるいは融資姿勢の変化によって、一時的に自社の資金繰りが苦しくなるようなことがあります。このようなときには、金融環境変化対応資金の融資です。
【対象】
・取引銀行が業務停止命令(一部を含む)を受けた
・経営状況が悪化していないにもかかわらず、取引金融機関との取引状況が変化している 等々

融資限度 4.000万円以内(別枠)
融資利率 基準利率(5年以内で2.05%、平成20年12月10日現在)
融資期間 5年以内(うち据置1年以内)
担保条件 保証人(経営責任者の方)が必要

セーフティネット貸付の取扱いは日本政策金融公庫の各営業店舗になります。制度の詳細は、各営業店舗でご確認ください。
戻る