コラム

『法人税が戻る!?~2月決算法人から欠損金の繰戻還付が適用できる』

納税した法人税の還付が受けられる
すでに納めた法人税が戻ってくる・・・。
設立5年以内の中小企業など、一部の法人を除いて平成4年から適用が停止されていた「欠損金の繰戻還付制度」が、平成21年度税制改正で復活します。これは、欠損金が生じたとき、その欠損金額を前期の所得に繰り戻して、すでに納付済みの法人税額を還付請求することができる制度で、中小法人等*に限って、平成21年2月決算法人から適用できるようになります。
納税した税金が戻ってくることから、資金繰り面でも有効な制度といえます。

*対象となる中小法人等
  青色申告書を提出する以下の法人
  ①資本金(または出資金)が1億円以下の普通法人
  ②公益法人
  ③協同組合等
  ④人格のない社団等

繰戻還付を受ける際の注意
この制度は適用を受けるにあたっては、次の点に注意してください。

①還付所得事業年度から欠損事業年度について、連続して青色申告書を提出している事業者が対象になります
②繰戻還付を受けるには、法人税の確定申告に「欠損金の繰戻しによる還付請求書」を添付する必要があります
③この制度は法人事業税には適用がありませんので、事業税の所得計算では、法人税の繰戻還付がなかったものとして欠損金を繰り越して計算し、事業税額を算出します

また、事業年度に生じた欠損金については、翌年度以降7年間にわたって所得金額から繰り越して控除することで、欠損金に対する税負担を将来に先送りできる「欠損金の繰越控除制度」もあります。なお、繰戻還付後の残額について、繰越控除を適用することも可能です。

具体例
前期は500万円の黒字(課税所得金額)で法人税額は110万円でしたが、経営が悪化して、今期は300万円の赤字(欠損金)に陥ったとします。この場合に、前期の黒字500万円から当期の赤字300万円を差し引いた額で前期の法人税を計算し直し、すでに納税した法人税額110万円のうち、66万円の還付を受けることができます。

戻る