コラム

「黒字企業の社長の特徴(傾向)」

緊急融資などによって当面の危機を凌いだ中小企業は、今後、受けた融資を返済していかなければなりません。返済の原資となるのは、黒字化による利益確保です。会社を黒字体質にするのは、一つの要素として経営者の姿勢が大事です。黒字社長によく見られる特徴をあげてみました。

■黒字企業の社長に見られる特徴
依然厳しい経営環境ですが、そんな中でも、黒字を実現している中小企業が多くあります。
黒字化には、商品力、販売力、企画力等が欠かせませんが、一つの要因として、日頃の経営者の姿勢も大きく影響します。
黒字体質の会社の社長には、経営姿勢に何か特徴はあるのでしょうか。黒字企業の社長の行動には、次のような特徴(傾向)があるようです。

=黒字企業の社長の特徴=
1.黒字企業の社長の特徴
2.早起きで、朝一番に出社する。
3.公私の区別がきちんとしている。
4.黒字は当たり前という強い信念を持っている。
5.現場(従業員)の声をよく聞く。
6.毎月の数字をしっかり見ている。
7.目標が明確で、具体化(経営計画)している。
8.決算書だけでなく現場データ・管理会計データもきちんと見ている。
9.利益の出る仕事かどうか吟味している。
10.何事にもスピーディーで、決断(意思決定)も早い。
11.チャレンジ精神がある。
12.新商品・新技術の研究開発を怠らない。
13.本業以外のことにむやみやたらに手を出さない。
14.他社製品、同業他社、得意先や業界、市場動向などの情報収集に努めている。
15.自社の強みと弱みの分析に努めている。
16.中・長期のビジョンを持っている。
17.休日も事業のことを考えている。
18.お客様の気持ちを熟知している。
19.社長が顧問訪問をするなど、社長が先頭に立って仕事をしている。
20.業績が悪いと自分の役員報酬からカットする。
21.自分の給料の何倍も仕事をしている。
22.職員教育が行き届いている。
23.健康、元気でいつも明るい。
24.夫婦仲が良い。

■会社の数字に関心を持ち経営計画を立てる
昨今のような先行きの不透明なときには、会社全体が、不安と迷いに襲われやすくなります。そんなときだからこそ、社長がきちんと目標を設定し、経営計画を明確にすることが良いのですが、「計画を立てても、どうせ実際とは差が出るのだから意味がない」「先が見えないのに計画など立てられない」「経営計画で売上が伸びるわけではない」という考えを持つ経営者も多いと思います。
しかし、景気の上向きがなかなか見えない中で、自社の現状、強み・弱みを捉えて、黒字化に向けて、自社の進む方向性をはっきりとさせるためには、目標、計画を明確にすることが必要です。目標の具体化は、社内の不安も解消し、社長のもと、全社を挙げて黒字化のために何をやるべきかを明確にすることにほかなりません。

事例:勘頼みの経営で赤字に転落
C社(衣料品メーカー)は、年々業績が低迷し、赤字に転落してしまいました。
業績の不振に加えて、経営計画もないので、社長の方針や目標が一貫しておらず、社長の勘頼みの経営であることが影響していました。
C社は、黒字化に向けて社長自ら得意先に出向き、ニーズや市場の変化を確かめ、さらには現場の社員の声を聞くとともに、自社の強みや弱みの分析、過去の商品別・取引先別の販売実績、粗利、コストなどを徹底的に分析しました。
そして、自社の強みであるオリジナルデザイン分野に力を入れ、価格競争が激しく粗利の低い量産品の割合を縮小して、利益を確保する戦略を立て、具体的な売上、利益の目標を数値で明確にし、経営計画に落とし込み、全社員に公開しました。
目標が明確になったことで、社長も社員もやるべきことがはっきりし、次第に業績も上向きになりつつあります。

◆かんたん経営チェック・・・自己資本の充実度を確認しておきたいが・・・?
社長:経営情勢が厳しい中、自社の自己資本が充実しているかどうかをチェックしておきたいのですが。
所長:自己資本比率を確認してください。この指標は、会社が所有・使用する資産(総資本)のうち、自前分(自己資本)がどれくらい占めているかを表し、資本構造の健全性を示す重要な指標です。この比率は高い方が良く、目標として50%くらいを目安にしましょう。

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