コラム

「通勤手当、旅費交通費を点検していますか?」

通勤手当、旅費交通費は必要な費用ですが、不況に伴うコスト意識の高まりから、それが合理的で適正に支給されているか等の見直しを行う企業が増えています。

【 通勤手当はルール通りに支給・申請されているか 】
電車、バス、車に限らず、実際には利用していない経路で申請されていたり、転居しているにも関わらず変更申請をしていないといった例があります。ただし、自動車通勤などで、地図上は最短経路でなくても、常に渋滞する区間を避ける経路を認めるなど、多少の幅を認めている企業もあります。

【 通勤手当のチェックリスト 】
□鉄道、バス等の公共機関を利用する社員の通勤手当は、もっとも交通費が安い経路で申請されているか?
□自動車通勤の場合、合理的な最短経路を申請しているか?
□実際に利用している通勤経路と申請している通勤経路が異なっていないか?
□社員の引っ越し、鉄道料金等の改定、新路線や新道路の開通等に伴う通勤経路や費用の変更を、そのつど社員に申請させ、適正に管理しているか?

【 役員の出張手当の相場は3,000円~5,000円 】
旅費交通費では、特に出張費用について、多くの企業がその削減に取り組んでいます。事前に出張申請させて、その必要性、期間、人数等を吟味して、最低限の費用で出張を行ったり、新幹線や航空機を利用するときには回数券や安売りチケット等を使用するなどの工夫を行っています。
また、7割の企業が、出張の際に日当を支給しており、支給額の平均相場は、社長・取締役が3,000円~5,000円、その他の社員が2,000円から3,000円という調査データもあります。(日本実業出版社「実務情報Series2010年1月号」)

【 交通系ICカードのチャージは交通費? 】
最近、首都圏、中部、関西、福岡などの都市部において、Suica、ICOCAなどの交通系ICカードを利用する社員が増えています。
これらのICカードは、交通機関の利用以外にも、電子マネー機能を利用して買い物等ができるため、チャージした際の領収書をそのまま旅費交通費として処理することはできません。
業務上、これらのICカードを利用して交通機関を利用している場合は、行き先、用務、利用交通機関、経路等を記載した「旅費交通費精算書」等を提出させるようにしています。

【 通勤手当、旅費規程を整備し、正しく運用する 】
通勤手当や旅費交通費については、支給基準があいまいで、規定として整備されていなかったり、規定内容が作成当時のままで、実情に合わなくなっていることもあります。社員間の不公平や事務の繁雑さを防ぐ意味でも、通勤手当や旅費交通費を見直し、規定としてもきちんと整備しましょう。

【 今月のワンポイント実務 】通勤手当は、税務と社会保険で取り扱いが異なります
通勤手当は税務上は非課税(一か月10万円まで)となりますが、社会保険・雇用保険については、通勤手当を含めた金額で保険料を算定しますので注意しましょう。
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