コラム

「平成23年4月1日から適用される主な税制改正」

平成23年度税制改正では、中小法人の軽減税率の引下げ、青色欠損金の繰越控除の延長等、企業経営への影響が予想される改正点がありますが、その適用時期に注意が必要です。

[1]法人実効税率の引下げ
国税・地方税の法人実効税率が5%引き下げられます。
(法人税基本税率〈国税〉を30%から25.5%に引下げ)
【適用時期】
平成23年4月1日以後に開始する事業年度からの適用になります。


[2]中小法人の軽減税率の引下げ
中小法人の所得金額のうち年800万円以下の部分に適用される軽減税率が18%から15%に引下げられます。
【適用時期】
平成23年4月1日~同26年3月31日の間に開始される事業年度について適用されます。


例えば、6月決算法人のように、平成23年4月1日が、事業年度の途中にある(事業年度が4月1日をまたぐ)場合には、今年6月の決算時までは18%のままで、翌事業年度(来年6月の決算時)からの適用になります。



[3]減価償却制度の縮減
減価償却資産の定率法の償却率が、定額法の償却率の2.5倍から2.0倍に縮小されます。
その結果、定率法を採用している場合、毎年の減価償却額が少なくなります。
【適用時期】
平成23年4月1日以後に取得した減価償却資産について適用されます。


[経過措置]
①定率法を採用している法人が、平成23年4月1日時点において、事業年度の途中にある(事業年度が4月1日をまたぐ)場合には、その事業年度の終了までに取得した減価償却資産については、改正前の償却率によって償却することができます。
②平成23年1月1日以後に終了する事業年度の申告期限までに届出をすれば、改正後の償却率に変更した場合でも、当初の耐用年数で償却することができます。

[4]青色欠損金の繰越控除期間を9年に延長
青色申告法人が、欠損金(赤字)を7年間繰り越せる繰越控除の繰越期間が9年に延長されます(中小法人等以外は控除範囲に制限あり)。
ただし、その欠損金が生じた事業年度の帳簿書類の保存が要件になります。
【適用時期】
平成20年4月1日以後に終了した事業年度に生じた欠損金額について適用されます。


[5]相続税の基礎控除の引下げなど
相続税では、基礎控除が引下げにより4割圧縮されるとともに、最高税率が55%に引上げられ、税率区分が6段階から8段階に改められます。

[基礎控除の引下げ]
●現行5,000万円+1,000万円×法定相続人の数
●改正後3,000万円+600万円×法定相続人の数
【適用時期】
平成23年4月1日以後の相続または遺贈からの適用になります。


※本稿は「平成23年度税制改正法案」をもとに作成しています
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